Books | 匂いをかがれる かぐや姫〜日本昔話Remix〜
このアイデアが面白い。
昔話を英語翻訳機にかけて、それをまた日本語翻訳機にかけるとどうなるか。
そこにシュールな世界が開けてくるーその不思議さが面白いんです。
北村 薫
とにかくこれを読んでいると、幸せな気持ちになりますよ。
「たいていのことは怖くない」っていう気分になります。
宮部みゆき
コンセプト
15種類に及ぶコンピュータの自動翻訳ソフトを駆使し、日本人なら誰もが知っている日本昔話3編「一寸法師」、「かぐや姫」、「桃太郎」を日本語から英語に自動翻訳し、さらに日本語に再翻訳。そして、コンピュータが生み出した文章からイメージしたイラストを添えた、まったく新しい現代の昔話の誕生。グローバル化が加速する現代において他言語間でのコミュニケーションをする機会が日々増えています。そして、それを補助する代表的なツールとして翻訳ソフトが存在しますが、現時点において翻訳ソフトの実用性はあまり高いとは言えません(単にコミュニケーションツールとしての)。なぜなら現在一般に出回っている翻訳ソフトでは、言葉の背景にある感情、文化や歴史、行間にある意味などを汲み取ることが非常に難しいからです。しかし、逆に考えれば翻訳ソフトは人間が到底思いつきもしない表現をすることができるとも言えるのではないでしょうか。この作品ではコンピュータによる無数の無機的な言葉の羅列を人間がミックスすることによって、人間と機械による新しい文学を創造します。
詳細
「匂いをかがれる かぐや姫〜日本昔話Remix〜」
- 文:原倫太郎 絵:原游 訳:翻訳ソフト
- 出版元:マガジンハウス
- 発売日:2006年11月22日
- 定価:1,000円(税込)
収録作品
一寸法師(少量法律助言者)、かぐや姫(匂いをかがれるとすぐにプリンセス)、桃太郎(桃タロイモ)
購入先
Amazon、楽天ブックス、hontoネットストア、e-hon、紀伊国屋書店
電子書籍版「匂いをかがれる かぐや姫〜日本昔話Remix〜」
- 出版元:マガジンハウス
- 発売日:2016年2月26日
- 定価:800円(税込)
購入先
「第11回文化庁メディア芸術祭」(エンターテインメント部門)奨励賞受賞
贈賞理由/奨励賞は“その他”部門から、形態は“単行本”という、やや異例の結果となった。しかし受賞作は、ゲーム・遊具等の部門を通じて、もっともメディア芸術という本祭のタイトルにふさわしい作品と思えた。私見だが、芸術とはなによりも、美しさや楽しさなどの“価値観”に対するチャレンジであるべきだからだ。自動翻訳ソフトという、ごく一般的なツールを使い、誰もが知っている昔話を、まるでかつての前衛SFのように再構成する行為。受賞作は、“視点”さえもっていれば、本のような伝統的な形でも、充分にメディア芸術たりえることを思い出させてくれた。本賞で“奨励”したいのは、この“既成の価値観に対するチャレンジングな視点”である。(メディア芸術祭 受賞作品集より)
本の抜粋
一寸法師(少量法律助言者)アニメーション
桃太郎 (桃タロイモ)アニメーション
かぐや姫(匂いをかがれるとすぐにプリンセス)アニメーション
メディアでの紹介
- やぐちひとり ブックエンタップ(TV朝日/2007年1月30日放映)
- フジアナスタジオまる生2007 おとこおばさん(フジテレビCS/2007年2月24日放映)
- Fuji-tv ART NET 耳袋 & 目袋
- 朝日新聞 おすすめ(2006年12月14日)
- 産経新聞 書店員のオススメ(2007年1月20日)
- 読売新聞 書評欄(2007年3月4日)
- 産経新聞(関西版)生活欄(2007年3月14日)
- SPA ブック&コミック(2007年2月6日号)
- クロワッサン 書評欄(2007年2月27日号)
- ダ・ヴィンチ 新刊本コーナー(2007年2月号)
- ウフ. 書評欄(2007年3月号)
- 月刊日本語 巻頭特集「今、日本語で表現する」(2007 SEP)
- THE BIG ISSUE クリエイターの視点(2007年10月15日号)
- 書評合戦「ビブリオバトル首都決戦2011」