Rintaro Hara | Works

スペース・クロワッサン

スペース・クロワッサン
スペース・クロワッサン
スペース・クロワッサン
  • スペース・クロワッサン
  • 材料:スチレンボ-ド、モ-タ-、糸、ブラックライト
  • 制作年:1999
  • 会場:KHM/ケルン(ドイツ)

傾斜のついたサイズが異なる21層の回転軸の異なるリングが、モーターによって回転するクロワッサンをモチーフとしたオブジェクト。両面が異なる色(表面-青、裏面-紫)のため、回転することによって色が上下にスライドする様に見える。私達が日常生活において視覚を通して認識するイメージの半分以上は、もはやリアルに存在する実物ではなくモニターやスクリーンを通しての信号化されたイメージではないであろうか。この作品ではその機械的媒体によって産出されたイメージを、糸やスチレンボードなどをマテリアルに、アナログな立体物として現実空間に出現させる。作品空間を体験する観客は、一見プロジェクションされた3Dイメージだと感じるかも知れない。。しかし空間に視覚や聴覚が慣れるにつれ、作品から発せられる微弱なモーター音、多少安定感が欠ける回転から徐々にそれがプロジェクションではなく、そこに存在するムービングオブジェクトだと認識が変化する。最初に認識した作品の時間的、空間的感覚が、鑑賞する間に脳内で変化、補正される様をこの作品を通して表現することで、改めて日常当たり前だと認識している事象、行為が果たして本当にそうなのかを問いかけたい。

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